黒川温泉


現在実家(宮崎県)で夏休みを満喫中。休みの一月ほど前、息子が帰って来るということで、親が温泉に行こうといった。


どの温泉に行きたいか聞かれたのでちょっといじわるに「黒川温泉」と答えた。おそらくもう空いている宿など無いのでは、というくらい人気の温泉地である。


はじめは気軽に引き受けた親だが、8カ所の宿で満室で、9件目でようやく狭いけど1部屋確保できたらしい。どうだ、黒川温泉のすごさ思い知ったか、ウソ、苦労かけてごめんなさい。


黒川温泉の印象は一言で言うと、「統一感、一体感」であった。看板の色、体裁に始まり、木、植物、建物の色調、雰囲気などに、統一感を持たせることで「黒川温泉」というものを表現している、と感じた。


いかん、のんびり温泉浸かりに来ているのになに分析モードになっているのだ。。でも続ける。
「ひなびた」ように一見見えるがそうではない。明らかに意図的にそうしているという印象を受けた。

wikipediaで黒川温泉の歴史をみてもその推論は割と当たっていたようで。
黒川温泉 - Wikipedia
の「活性化の歩み」より

一人露天風呂を作ろうと決意。旅館敷地内の山肌に向かい、洞窟風呂の製作に着手する。
もう一つは樹を植えたこと。作り込んだ日本庭園ではなく、野の山を再現しようとした。

風呂を作るだけでなく、さらに樹まで植えるとは・・・。客のニーズをつかんで仮説を立てるまではできそうだけど、その後の実行力たるや凄まじい。


もう一つ「統一感」を象徴してると感じたのが、黒川温泉のまとめ役「黒川温泉旅館組合」がちょうど温泉地の中心に建てられていること。
江戸の中心に江戸城がある、そんな既視感を覚えました。その位置関係で無言の支配意志を表しているというか。これは考え過ぎかな。


ただ、最初の文とは矛盾するのだが、建物自体に対してはそんなに制約は無いのかもしれない、それによりいい意味で競争意識が生まれ、良い宿が次々と生まれているのかもしれない。


浴衣姿で夜の町を歩くと、宿が単独の建物ではなく、それぞれが「黒川」のパーツとして存在し、川の音、山に生える植物まで含めて「黒川温泉」を形成しているんだな、と実感した。

これほどの一体感(関わっている人々の関係性も含めて)を実現できているのは驚異的である。他ではなかなか真似できないであろう。人気の温泉地になるのも当然である。


なお、しつこいですが、人気ありすぎて予約が大変難しいです。どうしても行きたい方は、
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黒川温泉旅館組合による空室状況
あれ、結構空いてる。ホントかな。