今時のweb2.0

そもそもweb2.0が今時かどうかはさておき、

digg.com炎上
http://ameblo.jp/nippau/entry-10032436819.html
http://ohnishi.livedoor.biz/archives/50309868.html

HD DVD不正コピー防止の暗号化キーのコードが流出し、そのコードについて書かれた記事をDiggが削除したことから、祭りが始まった。
-- 略 --
HD DVDDigg のスポンサーになっていることも事態をこじらせる原因になった。

日本以外でも「炎上」という現象は起きるんだ、というのが最初の感想。それが改めて確認できたというか。web2.0の代表的サイトの一つでもあるだけにショックはありますが。
diggは参加の障壁が低いので、いったん火がつくと燃え広がりやすい、というアーキテクチャ的問題もあったのかもしれません。(これは参加型アーキテクチャを良しとするweb2.0的企業全体にいえること。)

大事なのは、炎上した後の鎮火へ向けての作業(消火活動)、堅く言えば企業の危機管理と言ってもいいか。
digg.comの場合、創業者自らブログでその流出したコードをタイトルにし、説明を行った。それをユーザがどう受け止めるかは今後の動向を見ないと何とも言えない。

一方ガイナックス取締役辞任
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070427-00000006-maia-ent
http://animal-club.jugem.jp/?eid=767

火消し失敗といったところか、辞任自体が鎮火作業でもあるかもしれないが。ネットがリアル世界に影響を与え始めた証拠だ、というのは早計だと思うけど。

そんな中、アメリカではweb2.0 Expo が行われた。(4/18なのでちょっと前ですが)
http://www.webware.com/8301-1_109-9710356-2.html?tag=blog
そこでweb2.0的なサイトベスト5が発表された。
その中で自分が最も衝撃を受けたのが「Dapper」である。紹介ビデオがあるのでまず見ていただきたい。
http://www.dapper.net/dapperDemo/
Youtubeに対してなにやらごにょごにょ操作しています。え?画面を構造解析して好きな部分だけ抽出してパーツ化している?そしてそこからXML、フィード、ブログパーツ、ガジェット生成?それなんてスクリーンスクレイピング?いや、サイト自体がXHTMLなどで構造化されていればスクリーンスクレイピングとは言わないだろうし、でも。。
これまでは各ページが吐き出すフィードにみんな目がいっていたと思う。フィードを収集して提供する業者がweb2.0的と言われたり。(テクノラティkizasi等)そこにあえて生のコンテンツを操作するという手法を持ってきたのは正直やられた。フィードや、ちょっとずれるけどRDFMicroformatsなどのセマンティックなものは人間が読むものではなく、機械が読むものである、それが理想的な姿である、と言われてきた。それはそれで正しい。しかし、じゃあ人間側としてはどう扱えばいいの、という問いへの答えの一つがDapperなのかもしれない。フィードではなく、直接コンテンツに対して操作する。人間にとってはそれが使いやすいと感じる。盲点である。もちろんこれを実現するには技術的な要素も多分にあるだろう。FireFoxならgreasemonkeyなどを使えば何とかなるかもしれないがIEだとどうやるんだろう、など技術的興味も尽きない。
驚いているうちに「Google ノートブック」の存在を知る。これもまた、コンテンツ自体に対して操作をする。ページの一部をコピーして保存するサービスである。
今後のweb2.0的な技術、サービスの方向性がかいま見えた気がする。



気になることがある。web2.0的な記事を書いているブログ(技術、設計系、マーケ系、広告系)で偶然なのか立て続けにこんなエントリを見てしまった。
http://gitanez.seesaa.net/article/40785867.html
いつもは冷静にユーザビリティとか人間中心の設計とか論じているのに「情熱」とか「マーケティングを捨てる」とか、


http://kokokubeta.livedoor.biz/archives/51007887.html
一度ブログを停止するところまで追い込まれていたようで再開後のエントリ。一転マーケ的用語がなくなり、なにやら悟ったかのごとき抽象的な表現。


http://www.arclamp.jp/blog/archives/attitude.html
普段は「アーキテクチャ」に関して冷静に語るブログなんですが、「思想」「態度」「むかつきます」とか。


考えて考えて煮詰まってそこからもうすぐ這い出せそうな言葉を見つけようともがいているような、息苦しさを感じると同時に、最終的にはこの人たちは答えを見つけ出すはず、という確信を抱いています。


そんなweb2.0な今時です。