緒方元長官の奇怪な行動、原因は志と誇りの喪失か
http://www.nikkeibp.co.jp/style/biz/column/shusei/070621_34th/index1.html
自分なんかに事件の真相など分かるはずもなく。
しかし、この記事にはいくつか心に残るフレーズがあり、
本務である外国事情の視察には不熱心なのに、部屋割りや日当の額となると目の色を変えて関心を示す。晋作はこれを見て、幕府にはこの時代を乗り切る意志も力もないことを知る。それから晋作は急速に倒幕に傾いて行った。
たんなる妬みなら「ルサンチマン」の一言で一蹴である。地位的に上のものに対して、せめて自分の方が道徳的に上であろうと思いたい気持ちの表れ。
なるほど確かに役人とはそんなものであろう。発達した官僚制は専門家され、それ故に合理性と効率性の行き着く果てである。
マックス・ヴェーバーだったか、
組織は肥大化するに従い、その組織自体を維持、拡大することに注力する、みたいなことを言っていたのは。
http://www.ihope.jp/bureaucrat.htm より、
「『民主主義』そのものは、みずからも欲せずして不可避的に官僚制化を促進するにもかかわらず、それが不可避ではあってもみずから欲せざるものであったがゆえに、官僚制の『支配』〔官僚主義〕の敵手である」。
「完全に発達した官僚制は、特有な意味で、『憤激も偏見もなく』("sine ira ac studio")という原則にもしたがうものである。
官僚制が『非人間化』されればされるほど、また公務の処理にあたって愛憎や、あらゆる純個人的な、一般に計算できない、いっさいの非合理的な感情的要素を排除すること―これは官僚制固有の特性で、官僚制の徳性として称賛されているものであるが―が完全にできればできるほど、それだけ官僚制は資本主義に好都合な特有の性格をいっそう完全に発達させることになる。
近代文化は、それが複雑化されまた専門家されればされるほど、それを支える外的機構のために、個人的な同情や好意や恩恵や感謝によって働くかっての旧首長に代わって、一切の私情を交えず、したがって厳密に『即物的な』専門家(Fachmann)をますます必要とする」。
逆を返せば、官僚に「徳」「倫理」などを求めることは筋違いである。
そして、これを人ごとだと思ってはいけない。「全く役人どもは・・・」と思ってはいけない。それを求めたのは他ならない国民自身、自分自身なのだから。
しかし田中秀征さんの文章がとても読みやすかった。こんな発言ができるなら政治家として生きれば大衆に受け入れられる存在となれるだろうし、教授となれば、教えるのがうまい先生となれるだろう。
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