アート・オブ・SQL、Art Of なんとか

アート・オブ・SQL ―パフォーマンスを引き出すSQLプログラミング手法 (Theory in practice)

アート・オブ・SQL ―パフォーマンスを引き出すSQLプログラミング手法 (Theory in practice)

という本を見つけた。チラ見した(買ってないです。なので偉そうなこといえないですが。)。データベースというか日常的にSQLべったりの業務をやっている方には是非読んでもらいたい。
目次なども孫子の兵法になぞらえており、戦略、戦術レベルで見たときのSQLのあるべき姿などが書かれている。特にOracleSQL ServerMySQL、ポスグレなど特定のアプリに限定はせず、(若干 SQL Server寄りか?)どのアプリでも通用する技が書かれている。戦略というくらいだからマクロレベルというか、俯瞰して書かれている部分もある。こういうのはいきなり業務では役に立たないかもしれない、でも、だからこそ一皮むけたい、もう一段階上に行きたいという方にはお勧めです。

ところで、Art Of なんとか といえば真っ先に思いつくのはアレですよね。




チッチッチ・・・





はい、これです。

The Art of Computer Programming, Volumes 1-3 Boxed Set

The Art of Computer Programming, Volumes 1-3 Boxed Set


プログラミング界の生ける神、ドナルド・クヌースの著書です。日本語版も一応あります。
The Art of Computer Programming Volume1 Fundamental Algorithms Third Edition 日本語版 (ASCII Addison Wesley Programming Series)The Art of Computer Programming (2) 日本語版 Seminumerical algorithms Ascii Addison Wesley programming seriesThe Art of Computer Programming Volume 3 Sorting and Searching Second Edition 日本語版 (Ascii Addison Wesley programming series)


「Art」という単語は「美術」、「芸術」だけでなく、「技」、「術」という意味も持っていることは以前から知っていた。
http://dictionary.goo.ne.jp/search.php?MT=art&kind=ej&mode=0&base=1&row=1
だからこの本は「プログラミングの技、術」といった意味であろう。


で、話は最初の本、Art Of SQL に戻るのですが、一番驚かされたのが実は帯で、そこには、「孫子の兵法(Art Of War)に沿って・・・」とあった。あ、そういうことなのね。「兵法」は「Art Of War」と訳されていたのね。そんなことも知らなかったとは。
http://en.wikipedia.org/wiki/The_Art_of_War

先頭にThe がつくのが文法的には正しいのですが、「兵法」に関してはTheを付けないのが流儀なのかもしれない。(確証は持てませんがいろいろ調べて何となく。)
原著もThe を除こうとしているようだし。

The Art of SQL

The Art of SQL

そもそも孫子の兵法がアメリカでどのくらいの知名度があるのか、と疑問に思われる方もいらっしゃると思いますが、軍事関係の間ではかなりの知名度みたいです。ベトナム戦争での敗戦の原因は兵法を知らなかったからだ、とそれ以降は必修となったらしい、というくらい。
http://sonshi.jp/sub5.html
の(5)あたり。ついでに、(4)も興味深くて、リデル・ハートがすでにクラウゼヴィッツ孫子の比較を行っていますが、クラウゼヴィッツの理論の最大の問題点は、敵が1国の場合に限られていることを大前提にしているということ。それに対して、孫子の時代の中国はたくさんの国が同時に戦争状態で、絶えず周囲の国に気を配りながら(戦力も傾けながら)特定の国を撃破しなければ勝利は得ることができなかった。もし特定の国に全力投入してしまうと横や後ろの国から攻め入られてしまう。そこで孫子は守ることや逃げること、諜報活動や不意打ちも大事だよ、と述べているところが実践的かつ現実的である。
※自分の孫子に関する知識はこの本に負うところが大きいです。舐めてかかると痛い目を見る本です。すごくよくまとめられています。

最強!戦略書徹底ガイド

最強!戦略書徹底ガイド

あ、記憶がよみがえってきた。「アートオブウォー」というのをどこかで聞いた記憶が。。そう、それは確か20年以上前。そんな名前のゲームがあったはず。やったことはないけど雑誌で見たことが。横向きのストラテジー系のゲームだったはず。早速検索。・・・ むむ、残念ながら画像を見つけることはできなかったがWikipediaに少し載ってた。
リアルタイムストラテジー - Wikipedia

1984年に出たアメリカEVRYWARE社のThe Ancient Art of War(日本では『アート・オブ・ウォー』の名称で

やっぱり、記憶は正しかった。少しほっとした。さらに新たな発見も。自分もやったことのあるゲーム『コサックス 采配の芸術』って原題は『Cossacks:Art of War』なのね。ここでもTheが無い。でも「芸術」って訳しちゃっていいの??


結論としては、「Art Of War」という言葉は結構使われているようである、と。あれ?そんな話だっけ?最近脱線率高くてすみません。