ハイドゥナン

本書は近未来、与那国島を舞台にしたSF。上下巻合わせて1000ページ超のボリューム。
共感覚(音を視覚として感じたり、色を匂いとして感じたりする特殊な感覚)を持つ主人公、神と交信できる巫女的存在の女性と出会う。
同時に起こりつつある南西諸島での地殻変動。調査に出向く科学者達。
マントル領域に生息する細菌、記憶を保持できない主人公の弟、情報を自らの構造に保持する岩石、木星への生物探査機と幅広く絡み合う。


とにかく海の中の描写が秀逸。色彩豊かで生命の力満ちあふれているというか。与那国の風習、伝統の描写なども相まって単なる未来小説にとどまらない深みを持ち合わせた作品です。


ハイドゥナン (上) (ハヤカワSFシリーズ・コレクション)

ハイドゥナン (上) (ハヤカワSFシリーズ・コレクション)

ハイドゥナン (下) (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション)

ハイドゥナン (下) (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション)